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見当識障害の症状と対応

見当識障害とは?

認知症を患った場合によく見られる初期症状の一つに、見当識障害があります。見当識とは、自分が置かれている状況を認識する能力です。見当識に障害が起きると、今日は何月何日か、今が何時か、今自分がどこにいるのか、誰と話をしているかなどが正確に認識出来なくなります。見当識が正常であるかは簡単な問診で把握することができるため、医師による認知症診断の際にも見当識の確認が用いられます。
 


見当識障害の現れ方

時間や季節がわからなくなる

見当識障害は、まず時間の感覚に現れる場合が多く、今日の日付や時間を間違える事が多くなります。今日の日付などは認知症でなくとも間違えることがありますが、何月であるかすらもわからなかったり、あまりに高い頻度で日付を間違える場合は、時間を正しく認識出来ていない可能性があります。また、症状が進むと朝昼晩がわからなくなったり、季節がわからなくなっていきます。

場所がわからなくなる

次に認識しにくくなるのが場所です。外出した際に、自分がいる場所がわからなくなり迷子になるといった場面が増えます。場所への認識も薄れ、病院に行っても病院だと認識出来ないといったことが起こります。また、症状が進むと自宅もわからなくなったり、家の中でもトイレの場所、自分の部屋などを間違えるようになります。

人がわからなくなる

症状が進むと、人を間違えることが多くなります。毎日会っている家族は認識できても、家族ではない方は親戚や友人であっても認識できない場面がふえます。また、実子を孫と認識するなど、相手と自分の関係を間違える事もあります。
 


見当識障害の方への接し方

見当識障害が見られると、例えば人と会う予定を忘れたり、迷子になってしまったり、家族や友人をかたくなに知らないと言ってしまうことがあります。また症状が進むと、トイレを間違って別の場所でしてしまったり、失禁をしてしまうこともあります。こういった症状が出ると、身近な家族も驚きやストレスから怒ってしまうことがありますが、忘れてしまっているのは病気のせいです。うっかりでも、わざとでもなく、認識する機能が失われてしまっているという事を、まずは家族が理解する事が大切です。

認知症の方を怒ったり責めたりしても、本人は怒られている原因が認識できていないため、余計に興奮させたり、自尊心を傷つける事になります。本人は約束の日が到来してる認識がなかったり、目の前にいる人が本当に誰か分からず困惑しているのです。家族の方のストレスは増えるかもしれませんが、冷静になって対応しましょう。

見当識障害の方と接する場合、まず話を合わせるという対応が良いとされています。もし事情を知らない方とトラブルになってしまった場合は、その場では本人に話を合わせて、相手の方には、後ほどご本人のいないところで事情を説明して理解してもらうのがよいでしょう。
 


その他に見当識障害が原因で起こる事故

進行した見当識障害は徘徊の原因となります。自分がどこにいるのがが認識できず帰宅ができずに徘徊が起こります。徘徊によって交通事故を引き起こしたり、行方不明になってしまう事件が実際に起こっています。季節が認識できず、夏場でも冬と間違って服を着込む方がいます。冷房などもつけずに暑い部屋にこもっていたために脱水症状を起こす事故が起きています。

まず見当識障害があるとわかったら、外出する際は誰かが付き添い、目を離さないように見守る事が大切です。近くだから大丈夫というのは間違いで、たとえ近くでも迷うことはあります。また周りの方の協力も必要になります。近所の方や地域の民生委員などに連絡して、もし外で見かける事があれば、連絡してもらうといった対策を早くから行うことが望ましいです。
夏場に服を着込んでしまっている場合、説得しても脱いでもらうのはかなり難しい場合があります。そのような場合は、冷房をつけて温度調整をしたり、水分をたくさん補給するといった対応を心がけましょう。

認知症による徘徊の原因と対応の詳細

 

見当識障害のリハビリ(改善策)や対応について

見当識障害が出始めたくらいであれば、見やすい大きさのカレンダーを貼って、今日の日付に印をつけていくというのを日課にしてもらっても良いでしょう。その時に、今日は「何日何曜日」などと声に出してもらうと頭に残りやすくなります。
時計はその人によってアナログ、デジタルとわかりやすいものが違うので、本人がわかりやすいものを選びます。加えて「もうお昼だ」「もう寝る時間だ」などの声かけをたくさんしてみてください。認知症の方へは、たくさん声かけをする事がとても大切です。
外に出て迷子になったら困るなどと、じっと家にこもっていると脳への刺激が減って進行を早めてしまう場合があります。散歩は気分転換にもなり、良いリハビリになります。しかし見当識の障害がある場合、必ず目を離さず一緒についてあげてください。
トイレなどを間違えてしまう時は、部屋をトイレの近くに変えてあげるのがよいでしょう。ただし、部屋が変わった事で不安になったり部屋がわからなくなったりする場合は元に戻してあげましょう。その場合は、トイレのドアにわかりやすく「トイレ」と大きく書いた紙や、トイレのマークを貼るなどの工夫をしてみましょう。最初のうちは一緒にトイレまで行き、ここがトイレであることを、何度も繰り返して伝えてみてください。
 


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